『ねばちっこい経営 粘り強い「人と組織」をつくる技術 』遠藤 功 (著)
出版社: 東洋経済新報社 (2006/12/15) ASIN: 4492532242
目次
序章 続けられる会社、続けられない会社
第1章 「粘り」という競争力
第2章 「黄金のかめ」を目指せ
第3章 組織の粘着力を高める
第4章 侵潤・感染・熟成が、組織の粘着力を生む
第5章 個人の粘着力を高める
◆「当たり前」のことができない最大の理由
『 結果をだしている企業を見ると、「当たり前」のことが「当たり前」のようにできている。
逆に、業績が低迷していたり、問題を起しているような企業を見てみると、「当たり前」の
ことができていなかったり、徹底されていなかったりする。「当たり前」のことを「当たり前」
のようにできる組織力を手に入れることが、じつは企業経営にとって、決定的に重要な要素
なのである。
しかしそれは、決して容易なことではない。』
◆個人も組織も「ひ弱」になっている
『 とくに中高生の落ち込みが激しく、20年前と比べると、男子(1500メートル走)も
女子(1000メートル走)も約三十秒遅くなっているという。50メートル走や
ハンドボール投げなどでは大きな変化は見られないのに、持久走の記録だけが大幅に
落ち込んでいるのだ。
これは、たんに体力が落ちているというのではなく、「精神力の弱化」であると
受け止められている。
「諦めの早い子が増えている。授業のはじめの三分程度のジョギングなのに、生徒の半分
近くが途中でやめてしまった」』
◆会社は二種類に大別できる
『 それは、「粘り強い」という視点である。
極論すれば、企業は「粘り強い企業」と「飽きっぽい企業」の二つのタイプに分類することが
できるのではないだろうか。・・』
◆「続かない」のではなく「続けない」
『「うちの会社も手をこまねいていたわけではなく、さまざまなことに取り組んでいるんですが、
どれも長く続かないんですよ・・・」
苦境に陥っている多くの企業でよく聞かされるのが、この言葉だ。会社をよくするために
いろいろ手を打ってきたが、どれもこれも中途半端で終ってしまい、成果を上げるまでに
至っていない、というのである。
こうした企業の幹部から「続かない」という言葉を聞かされるたびに、私は暗澹たる気持ちに
なる。そして、次の言葉をいつも心の中で投げかけてしまう。
「それは【続かない】のではなく、【続けない】だけではないのですか?」』
◆思考の粘着力
『 トヨタでは「【五回のなぜ】を繰り返せ」が習慣化しているが、これはまさに「思考の粘着力」
を鍛えるためのものである。「五回のなぜ」は、トヨタ生産方式の生みの親である大野耐一氏が
提唱したものだ。・・・』
◆伝達力の粘着力
『 言うまでもなく、組織行動はチームプレイである。ほかの部門や人を動かすためには、
「粘り強いコミュニケーション」が必要だ。こちらの思いを伝え、理解してもらい、動いて
もらうためには、「ねばっこく伝える」努力を怠ってはならない。』
◆「絶対価値」と「相対価値」 P-70
◆継続とは「進化」すること
◆『うさぎとかめ』の正しい読み方
◎なぜ、かめはうさぎに勝ったのか
◆クレドが支えるリッツ・カールトンのホスピタリティ P-164
◆熟成──ねばっこさの実践
◎社長こそ、最強の「納豆菌人材」たれ
『その大橋会長は、こう語っている。
「一回のダイレクト・トークで、経営理念などが社員に浸透するとは思わない。ダイレクト・
トークは、終わりなく繰り返しおこなう」
社長のねばっこさ、執着・継続こそが、「粘りのDNA」を生む原点なのである。』
★遠藤さんの3部作の最終巻です。
「現場力を鍛える」「見える化」はよく売れましたので、これもベストセラー間違いなしでしょう。
論点をシンプルに絞っているので、
非常に分かりやすく、かつ、実践しやすい内容です。
組織として、いかに粘っこい人材を作っていくか?という方法論を説いています。
ちなみに、
わたしは、学生時代、マラソンだけは得意でした。
1500メートル走はたしか4分30秒台です。
距離は長ければ長いほど、有利で、
サッカーの練習前には、14キロ走なんてものを1時間ちょっとで、走っていた頃もありました。
遠い昔です(笑)。
本日は、この辺で。