『「バレンタイン流マネジメント」の逆襲』高木 徹 (著)
出版社: 講談社 (2006/09) ASIN: 4062133482
目次
序章 笑わない指揮官
1 何かが起きている
2 「バレンタイン・チルドレン」誕生
3 一度だけの「カミナリ」
4 データ野球を超えて
5 「私の選手たち」
終章 黄金時代か、限界か
『どうして、バレンタイン監督が指揮をとると、別のチームのように生まれ変わるのだろう』
◆普通ではない「普通」
『ボビーの野球は、シンプルなんです。要するに、攻めるほうでは一点でも相手より余計に
点をとることを目標とする。一点とるためには、ホームに還ってこなくてはならない。
そのためには三塁にランナーを進めなくてはならない。そのためには二塁にランナー・・・』
◆納得させて二軍に落とす
◆冷静になってから選手と話す
『怒るところは見ていますが、それでワーッと怒鳴るようなことは選手にはしません。一生懸命
冷静になろうと努力している感じです。頭に血が上っているときは、選手に話さないようにして
いますね。そのあとちゃんと自分のなかで考えてから話してくれます。だから、僕たちにも
わかりやすく伝わるんだと思う』
◆すべての常識を疑え
『ヒットエンドランのとき、これまではゴロを転がせ、といわれつづけてきたんですが、
バレンタイン監督はそれをまったくいわないんですよ。そうではなくて、ただ自分のベストスイング
をしなさい、とだけいうんです』
◆「楽しむ」ということ
『バレンタイン監督はスポーツ選手が「enjoy」することについて、こういっている。
「いい結果がでたとしても、そのことが、スポーツ選手にとって満足につながるわけでは
ありません。バッターボックスに入って、自分の能力すべてを使って対処すること。それこそが、
”目の前の状況を楽しむ”ということです。その瞬間こそ、すべての活力と、すべての努力と、
そしてすべての喜び(joy)が一緒になって現れる、人生のなかでももっとも素晴らしい瞬間に
なるのです』
◆一種の「勘」
『私はとにかく「観察」するように努めています。私はいつも選手のそばにいて、彼らのすべてを
観察します。練習のときも、試合のときも、食事をするときも、バスに乗るときもね。だから、
私はすぐに気づくのです。たとえば打者がスイングしたときにちょっと指を痛めたとか、
走者が二塁を回ったときにひざに違和感を感じたとか、すぐにわかります。』
◆「打順神話」を崩壊させた
◆「拙攻」を喜んだ理由
『「バレンタイン監督は、ミスを責める、ということをしません」
「積極的なミスはミスじゃない、といつもいってくれます」
「本当に結果でものをいうことがない監督です」』
◆「補欠選手」こそ報いられなければならない
★今年の初夢に見た、「バレンタイン監督」なので、かなり旬を外した1冊ですが、
あえて読んでみました。
期待したデータ野球に関する、
統計アナリスト プポ氏については、あいかわらず情報がありません。
けれども
阪神投手陣「JFK」への攻略などについては、かなり詳細な情報の公開と
それに対する対応が述べられています。
それよりも、
バレンタイン監督の人心掌握術は、驚くべきものがあります。
それと、勝利への執念・執着心を、空回りさせない、セルフマネジメントについては、
相当の心理学を勉強しているのではないかと、推察しました。
本日は、この辺で。