経理を中国に出してはいけない

書評

日本の中小企業のオーナー社長にお願いがあります。「働きたいママ達に、仕事を出そう」ということです。

 地産地消という言葉があります。もちろん、企業は、利益最優先なので、コストの低いところへ国境を問わず移動していくのが当たり前のことです。上場企業では、中国で経理処理を行うことが進んでおり、経理代行(記帳代行)というアウトソーシング会社の多くも、中国でオペレーションしています。しかしながら、それでは国内の空洞化がすすむばかりです。しかも、日本経済にとって金鉱脈ともいえる、就業年齢の女性の人口の大部分が活用できていない事実があります。「働きたいママ達に、仕事を出そう」。そしてそれは、パートタイムで良いのです。平成17年のデータですが、パートタイムで働く91%が女性で、そのパートタイムで働く人の51。6%が事務職に就いています。30歳以上54歳までで75%を占めます。一番多い年代が40から44歳、ずばり小中学生を子供とする子育て期のママ達です。
 「働きたいママ達に、仕事を出そうとすれば、中小企業で、事務職の仕事、つまり、経理業務を中国へオフショアすることなく、労働力の地産地消で、経理をママさんパート社員でオペレーションすることがなによりです。また、規模にもよりますが、中小企業の経理程度であれば、月に4日からせいぜい6日程の業務量です。週に一日とか、一日3~4時間の短時間労働でも、ことが足ります。これこそが、ママ達の働きたい就業条件とピタリと一致するのです。
意外と、パートといいつつ、週5日勤務や、一日の労働時間を7時間くらいに設定する会社がけっこうあります。これは、似非パートであり、本来、正社員として雇用すべきところを、安く使う目的でやっていると非難されても仕方ありません。また、改正パートタイム労働法では、正社員と同じ業務をやっているパートタイムの処遇を同じくしなければいけないという規程もあります。
 私どもの数少ない拙い経験の中でも、働きたいママ達に面接のチャンスを作っただけでも大変感謝されましたし、雇用の機会を受け取った人は、このチャンスをぜひ活かしたいと、目を輝かせながら仕事への期待と喜びを語ってくれました。
 さらに、パート社員を活用すれば、それは、そのまま自社の労働分配率を改善します。固定費である人件費の、一部が変動費化するわけです。うまくすれば、退職者の穴埋めを、正社員の中途採用でなく、パート社員3名で代替できれば、これは利益の源泉となります。
 今後、少子化の日本を支える子供たちの為にも、ぜひ、日本に残せる、事務仕事は、働きたいママ達の為の、チャレンジ枠としてください。日本の中小企業の社長にお願い申し上げます。