和田勉(著)『USEN宇野康秀の挑戦!カリスマはいらない。』

書評

和田勉(著)『USEN宇野康秀の挑戦!カリスマはいらない。』
日経BP社 ; ISBN: 482224508X ; (2006/04/20)

目次
 プロローグ

第1章 ネットテレビ「GyaO」への挑戦
ブロードバンド放送、出発前夜
正月のホテル役員会
「なんでもないけど、いいアイディア」
次を模索した2004年
たった3カ月でのサービス開始
編成の現場も立ち上がる
社長も番組を作る
開局、そして1000万登録へ
試行錯誤から成功の確信をつかむ

第2章 高くて遅い日本のインターネットを変えるGyaOへの道I
光で日本を救え
出遅れてしまった日本
「お前はクレイジーだ」
ソフトバンク・ショック
“オール・ジャパン”で出資者を獲得
照準はマンションに絞る
NTTと競争から一転して協力へ

第3章 コンテンツへの傾斜GyaOへの道II
『オペラ座の怪人』も倖田來未も
エイベックスのバランサー
GAGAの改革は「俺がやる」
楽天との共同事業で手ごたえ
コンテンツ集めの達人
インフラとコンテンツは理論と感情
テレビの未来

第4章 大阪有線からUSENへの革新
起業家の夢を追う
リクルートコスモスで学ぶ
インテリジェンスを起業する
父の会社を継ぐ決断
違法配線問題の重み
正常化への格闘
社員からの反発
70億円のミッフィー
上場するも危機が襲う
USENとして再出発
ライブドアとの新しい出発

第5章 イケメン社長のアンバランス経営
真っ当さとベンチャー精神
カリスマではないリーダー
一つのボールを全員で追いかける「子供のサッカー」経営
社外にも広がる「子供のサッカー」
長い会議がよい会議?!
非連続性が成長の秘訣
ソフトな外とハードな内
アンバランスをバランスさせる感覚時代が作った経営者
社長引退後は映画監督?

沿革

◆ネットテレビ「GyaO」への挑戦

 『「堀江さんが果たしてくれた役割というものがありました。それは、何もしないわけには
  いかないという世の中の雰囲気になったことです。よいか悪いかはともかく、一度ちゃんと
  ネットを考えてみようということになった。お台場の方は大変だから、自分たちは先に
  手を打っておこうみたいな反応もありました」
   結果としてUSENのGyaOは、これまでにいくつかのテレビ局との業務提携に成功している。』

◆編成の現場も立ち上がる

 『宇野さんにインボルブ(巻き込む)されましたよ。近所の子供が面白いことを見つけたから
  一緒にやろうよ、というような純粋な感じで引き込んでいくんですよ』

◆社長も番組を作る

 『GyaO開始当時のコンテンツ集めには、社長の宇野自身も奔走した。
  GyaOの「ニュース・ビジネス」チャンネルのトップ画面の右側に、「リアルビジネス」
  という番組がある。これが宇野自身が重要な役割を持つ宇野とゲストの対談番組である。』

 『・・・「僕はテレビには出ないんですよ」という村上(村上ファンド)を旧知の宇野自ら
  が口説き落とし、GyaOへの出演を実現させたのである。』

◆開局、そして一千万登録へ

 「広告メディアとしての価値を高めるには、属性は取りたい。属性を取りながら、
  その百万を突破していくというのができたのが大きい。当初私は『一年で一千万登録』
  と言いましたが、そのときみんなは『無理じゃねえの』」という感じだったんです。
  けれど、増加ペースは実現に近づいてきた。もちろん、・・・』

★宇野社長もまた、リクルート人材の一人です。
 大学卒業後、リクルートコスモスに入社し(リクルート自体の内定を辞退して)、
 営業のイロハを学んだそうです。

 また、経営者としては、突っ走るカリスマ型ではなく、
 長時間の会議を開催したり、周囲の納得・コンセンサス作りに非常に時間を割く、
 協調型や統合型の経営者と言えそうです。

 何をやるかではなく、誰とやるかを重視するなど、
 私とは違う発想が、参考になりました。

 社員を怒ることが、ほとんどないというのも、新しい世代の経営者像なのかもしれません。
 資金的は、二度ほど苦しい局面を迎えたとありましたが、
 次回作があれば、このあたりの詳しい話を知りたいと思います。

 これから起業家を目指したり、社長になりたいという人には、
 新たなロールモデルとなりえそうです。

本日は、この辺で。