企業参謀 講談社文庫 大前研一

書評

 

 

大前研一(著)「企業参謀 講談社文庫」講談社 ; ISBN: 4061836307 ; (1985/10)

◆戦略的思考とは

「それは、たとえばアメリカ式の20分床屋を1400円の40パーセントである
600円くらいで開業することであろう。すると、この店は私と同じ考えを
もっている人がたくさん来て、一日の一理髪師当りの客数が、二・五倍にも
なるだろう。したがって、”収入”は旧来のものと変わらないはずである。
なぜなら、この場合、マーケットの大きさは、この変革者にとっては無限大とも
考えられるからである。」

◆非線形思考の重要性

『「戦略的」と私が考えている思考の根底にあるのは、一見混然一体となっていたり、
常識というパッケージに包まれてしまっていたりする事象を分析し、ものの本質に
もとづいてバラバラにしたうえで、それぞれのもつ意味あいを自分にとって
もっとも有利となるように組み立てたうえで、攻勢に転じるやり方である。
個々の要素の特質をよく理解したうえで、今度はもう一度人間の頭の極限を
使って組み立てていく思考方法である。』

◆ものの本質を考える
◎「設問のしかたを解決策志向的に行うこと」

「設問のしかたが大切なのは、この例でよくおわかりいただけたと思う。
しかも、漫然とした改善案を拾うような設問ではなく、解決策につながるような
設問の仕方をつねに発せるように訓練し、心がけておくことが大切である。」

◆つねに本質に迫るための方法論
◎イシュー・ツリー

◎プロフィット・ツリー

「当然のことながら、製品の利益というものは、わずか三つの変数で決まってしまう
のである。
●売価(P)
●コスト(C)
●販売量(V)

◎シェア拡大のためのプロフィット・ツリー(p-44

◆問題解決成功の尺度となるもの

「・・現代の巨大企業の勝負はまさしく会計・経理担当者の手腕にかかっている、
という事実と旧態然とした会計法が依然として広く使われているという事実との
矛盾は、私にはよく理解できないところである。・・・」

◎売上高利益率
◎総資産利益率
◎使用総資本利益率

◆経営諸比率─着眼点の流れ(p-60

◆中期経営戦略計画

「・・ところが、トップの多くはミドルとの間の仕事の分担、やり方というものについて、
相互によく吟味されたプロセス(約束ごと)を確立していない。そのために、あるトップは
遠大な計画や空想に多くの時間を費やし、また、あるトップは日常茶飯事のことまで
いろいろと口出しをする、という二極分化が起こってしまうのであろう。・・」

◆製品系列のポートフォリオ管理(PPM)

◎日本でなぜ発達しなかったのか

「・・私は、最大の原因は、やはり銀行の資金たれ流し(オーバー・ローン)にあったと思う。
事業が、本来自己資本の還元調達によらなくてはならないとすれば、当然のこととして、
P/Lではなく、キャッシュ・フローが、もっともきびしい拘束条件となってくるはずであるが、
従来は「遠い将来に明るい光が見える」という説明をするだけで、この部分はフリーパス
になっていた。
また、成長経済下では、こうした大ぼらもウソにならすにすんでいたきらいがある。」

◆戦略的思考を阻害するもの

◎制約条件に制約されるな

『戦略立案において、まず第一に「あれもダメ、これもダメ・・」と考え、次に
「じゃあ残るのはなんだ?」という考え方をしたら、まず現状打破はできない。』

『今なにもできない、と思うに至った制約事項とは具体的にはなにとなにですか?』

『これらの制約条件がいっさいないとしたら、どんな可能性が出てきますか?』

「たとえば、人、資金、のれんなどの面で動きがとれなくなっているときに、
そうしたものが仮にふんだんに使えるとし、かつ現在問題となっていることの
解決を図る、ということを空想してみよう、と持ちかける。すると・・・」

★古典ともいえる、名著を今頃、読みました(汗)。
本当に、読みやすいと言ったらおかしいですが、
どこかで読んだ話や図ばかりで、とても20年ぐらい前の本とは思えません。

QBハウスのビジネスモデルもこの本からの、パクリじゃないかと思ってしまいます(笑)。

定期的に、読み返し、戦略思考を身につけたいと思います。
文庫本のこの値段は、とてもお買い得です。

言ってみたら、ビジネス書の「王ジャパン」といったとろこでしょうか?

本日は、この辺で。