『経営戦略のトリセツ[取扱説明書]』西村 克己

書評

『経営戦略のトリセツ[取扱説明書]』西村 克己(著)
出版社: 日本実業出版社 (2007/2/28) ISBN-10: 4534041985

目次

 序 章 戦略なき新規事業は失敗する
 第1章 戦略の定石を理解しよう
 第2章 戦略分析による経営戦略策定のヒント探し
 第3章 経営戦略を体系的に作成してみよう
 第4章 新商品のマーケティング戦略の策定
 第5章 新商品開発プロジェクトの推進

◆在庫が経営を圧迫する

 ◎在庫の山ではキャッシュフローが回らない

 ◎サービスの場合、収入につながらないロスを最小化する

  『 モノの場合、在庫という形で目に見えやすいのですが、無形のサービスの場合、在庫をどう考えればいいので
   しょうか。無形のサービスでは、機会損失として在庫をとらえることができます。たとえば、理容室でお客が
   全く来ない場合、収入がないまま店員さんが待機している状態があるとします。これは売上の機会損失なので、
   モノでいうと売れない在庫です。しかしサービスの在庫はすぐに消えてなくなり、機会損失は二度と戻って
   きません。
    またホテルの空室も、サービスの在庫です。空室にしたままで1円も収入が得られないよりは、少しでも
   収入につなげるために、値下げしてでも売ろうとします。格安航空券なども、空気を運んでも1円の収入にも
   ならないので、値下げしてでもお客さんを乗せて収入を得ようとする苦肉の策、と言えます。』

◆戦略がなくても勝てた時代は終わった

 『 バブル経済までは、日本の産業全体に、大量生産・大量販売のビジネスモデルが成り立っていました。
  作れば売れる時代で、企業の競争力は、高品質とコストダウン力で決まりました。つまり、戦術が優れた企業が
  高収益をあげました。この大量生産・大量販売のビジネスモデルは、すでにアジア諸国に奪われています。
   戦略がなくても勝てる条件がいくつかあります。規制で競争が制限されている場合、モノ不足の時代
  (作れば売れた時代)、メーカー(売り手)が主導権を取れた時代、大量生産・大量販売のビジネスモデルが
  通用する時代では、戦略がなくても企業各社は勝てました。
   戦略がなくても勝てる時代での競争優位の決め手は、手段(HOW)やコスト競争力、オペレーション力が優れた会社、
  高い技術を持つ会社、高機能、多機能製品を作れる会社かどうかでした。』

◆戦略とは選択と集中

  ◎戦略とは勝ちを取りに行く領域を「選択」する

   『 選択するということは、重要な領域に優先順位を付けるのと同時に、優先順位を付けない領域を明らかに
    することでもあります。選択するということは、切り捨てる分野も存在することになります。
     戦略とは、やることを決めると同時に、やらないことを決めることでもあります。総花的、総合主義では、
    なかなか勝てない時代です。ターゲットに照準をしっかり当てて、顧客にジャストミードする商品やサービスを
    提供することで、磐石な経営基盤を確立することが可能になります。』

◆戦略の定石─3S

  ◎選択─差別化─集中

   『戦略に不可欠なものは、差別化競争です。また一方で、戦略を「選択と集中」と表すことができます。これらを
    合成すると、「選択─差別化─集中」としてまとめることができます。すべてサ行で始まる言葉なので、
    「戦略の3S」と覚えておくと、思い出すのに便利です。』

   『 選択するということは、何かを捨てることでもあります。戦略とは、「やるべきことを決めると同時に、
    やらないことも決めること」でもありました。重点領域を選択することで、ターゲット目標を明確化します。』

◆「ランチェスター戦略」から戦略の極意を知る

★「孫子の兵法」から「ランチェスター戦略」、そして「SWOT法」や「3C+マクロ環境分析」などの戦略分析など、
  戦略に関することは、この1冊でほぼ網羅されています。
 また、企業小説風に、かかれてますので、比較的読みやすいと思います。

 経営企画室や、将来、経営にたずさわりたい方に、お勧めします。

本日は、この辺で。