『フロー体験 喜びの現象学』M. チクセントミハイ

書評

『フロー体験 喜びの現象学』M. チクセントミハイ(著)

出版社: 世界思想社 (1996/08) ISBN-10: 4790706141

目次

第1章 幸福の再来
第2章 意識の分析
第3章 楽しさと生活の質
第4章 フローの条件
第5章 身体のフロー
第6章 思考のフロー
第7章 フローとしての仕事
第8章 孤独と人間関係の楽しさ
第9章 カオスへの対応
第10章 意味の構成

『 どのような善意からにせよ、書物は幸福になる方法についての秘訣を教えることはできない。最適経験はその
瞬間瞬間の意識に生じることを統制する能力に基づいているからであり、一人一人が自分自身の努力と想像力に
基づいて、それを達成しなければならないからである。書物にできること、そして本書が目指していることは、
どうすれば生活をより楽しいもの、秩序あるものにできるかについて読者が考え、そこから自分自身の結論を
引き出すための、いくつかの実例を理論の枠組に従って提出することである。』

『 ほとんどの人々は生活の大部分を労働や他者との相互作用、とくに家族との相互作用に費やしている。したがって
仕事をフローが生じる活動に変換すること、および両親、配偶者、子供たち、そして友人との関係をより楽しい
ものにする方法を考えることが決定的に重要である。
多くの生活が悲劇的なできごとによって引き裂かれ、最高の幸運に恵まれた人々ですらさまざまなストレスに
悩まされる。しかし、このような嵐が幸福を減少させるとは限らない。不幸な状態から益するものを引き出すか、
惨めな状態に留まるかを決定するのは、ストレスにどう対応するかによる。・・』

◆意識の秩序━フロー

『 心理的エントロピーの反対が最適経験と呼ばれる状態である。意識の中に入り続ける情報が目標と一致している時、
心理的エネルギーは労せず流れる。心配する必要はなく自分が適切に行動していることに疑問を抱く理由もない。
自分自身について考えるために立ち止まる時でも、万事うまくいっている証拠に常に励まされる。
「なかなかいいじゃないか」。肯定的なフィードバックが自己を強化し、より多くの注意が内外環境を処理するために
解放される。』

◆自己の複雑さと成長

『 フローは自己の統合を促進する。注意が深く集中している状態では、意識は格別に良い状態に秩序化されている
からである。思考・意図・感情そしてすべての感覚が同一目標に集中している。体験は格別によい状態に秩序化
されているからである。思考・意図・感情そしてすべての感覚が同一目標に集中している。体験は調和の状態にある。
そしてフロー状態が終わった時、人は内的にだけでなく、他者や世界一般に対しても「ともにいる」という感じを、
それまでよりもより強くもつようになる。・・・』

◆自己目的的経験

『 最適経験の基本要素は、それ自体が目的であるということである。たとえ初めは他の理由で企てられたとしても、
我々を夢中にさせる活動は内発的報酬をもたらすようになる。外科医は「手術がとても楽しいので、私がやる必要も
ない手術でも引き受けるだろうね」と言い、航海者は「このヨットのために多くのお金と時間を費やしていますが、
それだけの価値があります━帆走している時に感じることと比べられるものなどありません」と言う。
「自己目的的」という言葉は、ギリシャ語の自己を意味する・・・』

★天外伺朗さんの「フロー経営」の理論的根拠となるものが、
このチクセントミハイのフロー理論です。
ざっと目と通しただけですが、
音楽、食、思考、仕事としてのフローなど、が、説明されているので、
フローとは何か、ということが、わかり易い1冊となっています。

かならずしも、
フロー状態に入りさえすれば、それで良いということでもなく、
「徹底的に論理的に考える思考」や、「追い詰められて、”どん底を見る”ようなプ精神的なプレッシャー」
そういったモロモロのものと、うまく相互作用があった後に、
フロー経営にはいる模様です。

本日は、この辺で。

編集後記

G/W返上で、決算作業という、経理の方もおられるかと思います。
草葉の陰で、応援しています。

わたしはと申しますと、
カレンダーどおりの休み、プラス、一日有給をいただきます。
5月1日がお休みです。
そこで、このブログも、お休みさせて頂きます。

どこからか、
「予約投稿できるじゃないか?」という言葉が聞こえてきそうですが、
ここは、

いさぎよく(?)、休ませてもらいます。

 

2020年3月21日追記

このフロー理論を、天外塾で学び、

自分や自分の組織もフローに入りたいと実践と実験を繰り返してきました。

正直のところ、上手くいったのかどうかよくわかりません。

 

ただ、

ひとつ、ハッキリ言えることは、

その天外塾で、同窓生として学んだ岡田監督、

彼は間違いなく、フロー理論をものにして、フローに入りました。

 

最初に、岡田監督が教室に入ってきたときは、ほとんど好奇の目で見ていました。

形だけ入ってたいして勉強しないのだろう?と。

 

しかし、

実際のところ、彼が、一番勉強して、ノートも取り、一番たくさん質問しました。

その、質疑応答を聞いていても、内容をよく理解しているというのが本当にわかりました。

 

そして、

かなりスケジュールを調整して、すべての講義に出席されていました。

僕は、彼が必死に勉強する姿に感動しました。

ある意味、彼の生き様を、かいま見た。

 

もしかしたら、

それが、僕にとっての、一番の学びになったかもしれません。

 

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天外さんの著書はこちら

非常識経営の夜明け 天外伺朗

 

『マネジメント革命 「燃える集団」を実現する「長老型」のススメ 』天外 伺朗