『アホな二代目につけるクスリ―継承は創業より楽しい』住野 公一(著)
出版社: 東洋経済新報社 (2007/01) ISBN-13: 978-4492501672
目次
プロローグ 「継承の時代」を勝ち抜け
Part 1 事業継承編─ワンマン経営の壁を突破する
Part 2 新規事業編─変化なくして継続・発展なし
Part 3 社内風土編─二代目経営成功の生命線
Part 4 人材育成編─「自主・自発・自律」の人づくり
Part 5 ミッション編─”経営の大儀”が人を動かす
Part 6 後継者育成編─成功の秘訣は「早めの対策」
◆カー用品総合専門店「オートバックス」の誕生
「自分のイメージ通りのお店が実現すれば、ドライバーにとってこんな便利なものはないはずだ。
成功しないはずがない。世の中の人々のためにも、ここは挑戦していかなければならないんだ。」
◆シアーズタワーと「願望実現」
「わしはアメリカのシアーズを追い抜く。オートバックスは、小売業世界一とわれるシアーズ社を
追い抜く企業となるで!」
『「企業には目標が必要や。そしてその目標は、できるだけ大きく、はっきりと目に見えたほうが
ええ。シアーズタワーのシアーズ社が、これからのわが社の目標や」
敏郎はこう自分の真意を説明し、社員たちの士気を鼓舞したのである。
ほどなくして、オートバックスの全店にシアーズタワーの写真がプリントして配られ、
それを事務所の壁に貼るよう命ぜられた。』
◆創業者の「怒りの経営」
『 敏郎はいわば「怒りの経営」によって自らの求心力を高め、オートバックス全体を一つに
まとめていった。「独裁」「ワンマン」といわれれば、それは否定しようのない事実だった。
だが、この「怒りの経営」により、オートバックスが現在に至るまでの発展を遂げたのも、
またまがうことのない事実なのである。』
◆ワンマン経営の弊害を知れ トップの「提案」が企業をダメにする
『 いつもお構いなく、一番冒頭に「ワシはこう思う」と「提案」してしまう。ほとんどの場合、
かれが何か喋った後の会議は、その後だれも発言することのない、敏郎の「提案」内容を確認する
だけの場となってしまっていた。
当然のことながら、こうした傾向はやがて社内全体へと蔓延していくことになる。
主役はいつも敏郎で、あとの人間はいわれたことをただやるだけ。皆が指示待ち人間のように
なってしまい、考えることをしなくなってしまう。それはそうだろう。下手に何かを考えて、
「お前何考えてるんや、馬鹿モン!」
などと怒鳴られるくらいなら、何も考えないほうがどう考えてもマシだ。素直にいわれたことに
従って、「わかりました」といっておけばいい。
敏郎がどこまでそうした空気を感じ取っていたのかはわからないが、これがいま現在、僕が
「怒りの経営」「ワンマン経営」を否定する最大の理由である。』
◆自分がカリスマになろうとは思うな
◆新事業は「七割の否定と三割の継承」をこころがけよ
『 ここでも大切になってくるのは、微妙なさじ加減、バランス感覚である。割合でいえば、
ちょうど新規七割、過去の継承三割といったところだろうか。
否定するだけでも、継承するだけでも、会社はうまくいかない。
難しいところだが、同時に、それが事業継承の最も面白いところでもあるのだと思う。』
◆「どんぶり勘定」で人をひきつけろ 効率だけで経営は語れない
『 部門管理の徹底、独立採算制などというが、実用一辺倒で効率の悪いものをただ切り捨て、
ずべての部門に高粗利を求めていくことが、はたして現実的な経営だろうか。僕はそうは
思わない。』
★住野CEOは、いろいろ苦労されただけあって、
二代目として、前任者に対抗するための、分かりやすい、アドバイスをされています。
二代目・三代目で、生々しく、ご苦労されている方には、最適です。
ただ、喫煙ルームの効用については、
賛否両論であろうと思います。
あえて、言うなら、批判を恐れず、本音が書かれているということですね。
本日は、この辺で。