『経営の未来 (ハードカバー) 』ゲイリー ハメル

書評

『経営の未来 (ハードカバー) 』ゲイリー ハメル(著)
出版社: 日本経済新聞出版社 (2008/2/16) ISBN-10: 4532313805

目次

 序文
 第1部 なぜ経営革新が重要なのか
  1 古い「経営」は破綻している
  2 究極の優位性を築く
  3 経営革新の課題
 第2部 経営革新の実際
  4 目的を組織内で共有する――ホール・フーズ・マーケット社の場合
  5 経営革新の民主化を確立する――W・ L・ゴア社の場合
  6 優位性の持続を狙う――グーグル社の場合
 第2部 経営革新者になるには
  7 束縛から逃れる
  8 新しい原理を立てる
  9 周辺から学ぶ
  10 経営革新を始める 
 結論 未来型経営の確立

◆現実否認

 『 どの企業も業績不振になるまでは成功しているわけだが、気に入らないのは、業績不振
  になったとき愕然とする経営幹部が大勢いることだ。この驚愕は、つまりは劇的に変化した
  環境を、事ここに至るまで認識していなかったということであり、再生の作業が、手遅れに
  なるほどではないとしても、大きく遅れるのを保証しているも同然である。
   現実否認はお馴染みのパターンをたどる。気がかりな展開を、最初は信じがたいとか、
  たいしたことではないと無視し、それから例外的な現象だとか、もう手の打ちようがない
  として合理化する。その後、しぶしぶ防御行動をとってそのダメージを緩和し、それから
  ようやく──必ずそうなるとはかぎらないが──現実ときちんと向き合うことになる。』

 『 容易に予想できるかもしれないが、気がかりな事実を否認する性向はヒエラルキーの上に
  いる人ほど強い。それは一つには、企業のリーダーは概して変化の最先端から遠いところに
  いるため、長く崇められてきたビジネスモデルが危うくなっていることを独力では察知でき
  ないためだ。自分自身の実感的証拠がないのだから、組織の周縁にいる人びとが遠くで鳴ら
  している警報ベルの音を彼らが信用することはほとんどないのである。』

◆イノベーションをすべての社員の仕事にする

◆創造力についての偏見

 『 50年前にはほとんどのCEOが、「普通の」社員には、品質や効率のような複雑な業務問題
  に取り組む能力はないと思っていた。カイゼンやTQM(総合的品質管理)やシックスシグマの
  力をよく知っている現代の企業幹部には、このような見方は偏見としか思えない。それなのに
  今日、わが社の次の10億ドルのアイデアはアルバイト社員や契約社員から生まれるかも
  しれないということを認めようとしないCEOが大勢いる。』

◆ずべての社員が自分の最高の力を出す企業を築く

 『「組織のすべての層にわたって、大多数の社員が自分の仕事にフルに参加しているとは
  とうてい言えない」という結論である。この調査によれば、世界各地の社員の14%しか
  自分の仕事に積極的に参加しておらず、24%が参加していなかった。そして他のすべて
  の者がなまぬるい中間にいたのである。』

◆多すぎる説教、少なすぎる目的

◆信頼

 『 ホールフーズの透明性は給与データに限った話ではない。日々の店舗の売上、チームの
  売上、商品原価、各店舗の利益など、慎重な扱いを要する業務データや財務データの多くも、
  見ようと思えば、どの社員でも見ることができる。店舗のチームは発注や価格設定のような
  問題について決定を下すために詳細な財務データを必要とするのではあるが、ホールフーズ
  の「秘密ゼロ」の経理管理の理念には、もっと大きな目的がある。帳簿を開示することは、
  信頼によって結ばれた会社を築く唯一の方法なのだ。多くの企業で、社員を管理する方法
  として情報を隠すことが通常の慣行になっている(これは信頼にとっては有害だ)。それに
  対し、ホールフーズの経営陣は、秘密があったのでは強い信頼で結ばれた組織を築くことは
  できないと考えているのである。』

◆イノベーションの民主主義を築く

 ◎ビル・ゴア──経理管理イノベーター

 ◎階層構造ではなく格子構造の組織

  『 だが、少し詳しく見ると、ゴアがまるでパンケーキのようにフラットな組織であること
   がすぐに理解できる。管理職の層はなく、組織図もない。肩書きのある者はほとんどおらず、
   上司のいる者は一人もいない。ホールフーズ・マーケットと同じく、ゴアでも業務の中心
   単位は小規模な自己管理型のチームであり、そのすべてが二つの共通の目的を持っている。
   「利益を上げることを楽しむこと」だ。
    ビル・ゴアはこの会社を、ピラミッドのような階層型の組織ではなく、「格子」型の組織
   として思い描いた。格子型組織は、理論的には組織のあらゆる個人を他のあらゆる個人と
   結びつける。コミュニケーションのラインは直接的で、人と人、チームとチームを直に
   つなぐことができる。階層型組織では、責任は横に対してというより上や下に対して
   負うものだ。それに対し格子型組織では、同じレベルにいくつもの交差点があり、情報が
   仲介者によってフィルターにかけられることなく、あらゆる方向に流れることができる。
   格子型組織では、人は上司のためではなく同輩のために仕事をし、定められた手順を
   通さなくても同僚と協働することができる。』

★読んでから、少し間があいてしまったので、
 印象が薄れています。

 けっこう、後半にも、面白そうなことが書いてあります。
 幾つかのセミナーで学んだのですが、
 『実験』という言葉は、非常に、良い言葉です。

 とかく、人は、保守的で、変化を恐れます。
 遊び心ある『実験』という言葉は、心理的なハードルを少し下げてくれる
 効果があります。

 明日も、何か、実験を始めたいと思います。

本日は、この辺で。