わが友本田宗一郎

書評

 

 

井深大著「わが友本田宗一郎」ワック株式会社です。4898310753

目次
第1部 わが友 本田宗一郎(「ネアカの大将」と出会って四十年
できっこないから、やってやろう
ものをつくってこそ実業
こわいのは失敗ではなく、何もしないこと ほか)
第2部 本田さんと語り合う(ホンダとソニーが飛躍できた理由
本田哲学の原点を明かそう
民生品生産が日本の技術を発展させた
オレたちは行革の骨抜きに怒っている)

◆性格正反対の二人がつきあって四十年

「私と本田さんは仕事の面でもいろいろなつながりがあったように思っている人もいるようです。
しかし、仕事のことで直接相談したり、いっしょに仕事をしたということは、
40年間のおつきあいのなかで一度もありませんでした。まして、困ったからあいつに
助けてもらおう、などということはまったくありません。・・・・」

◆本田さんと結んだ”パブリックサービス協定”

「本田さんとお目にかかる数少ないチャンスのひとつに、お互いが共通してかかわっている
”仕事”の場がありました。”仕事”といっても、本業から離れた、いわゆるパブリックサービスです。
本田さんと私は、早いころから、世の中のパブリックサービスのような仕事に関しては、
お互いに頼まれたことはけっして断らない、という”協定”を結んでいたのです。」

◆本田さんも私の”素人”だった

◆ふたりとも「経営者」ならざる経営者だった

「ふたりとも経営者としては失格だったのですが、ご存知のように、それぞれ藤澤武夫、盛田昭夫
といういい相手がいたからこそ、ここまでやってこられたわけです。」

◆ものをつくってこそ実業
「ものをつくらずに金儲けをして会社といえるか」
「ものをつくる喜び、紙切れを売買するばかばかしさ」

「僕は、たとえロビンソン・クルーソーの孤島に流されても生き抜いていくつもりだし、
瓦の上にまかれても、芽を出し花を咲かせる自信がある。」

◆こわいのは失敗ではなく、何もしないこと
「大体ぼくの人生は、いわゆる見たり、聞いたり、試したりで、それを総合して、こうあるべきだ
ということで進んできた。もしわからないようなことがあって、そのために本を読むんだったら、
そのヒマに人に聞くことにしている。5百ページの本を読んでも、必要なのは1ページぐらいだ。
それを探し出す非効率なことはしない。」

「こわいのは失敗することではなく、失敗を恐れて何もしないことだ」

◆ひらめきで需要をつくるのがメーカーだ

(井深)
「全体として眺めるということが非常に重要になってくるから、手っ取り早く言うと、
左脳の世の中じゃなしに、右脳の世の中になってくると思うんですがね。
そのためには、教育をまるで変えなきゃだめであると。
だから、さっきから直観力、直観力って言っているけど、私なんかもそうなんだけど、
それで気づいたものは正当に評価されなかったんだけどね、だんだんそうでなくなってくる
じゃないかと思うんですよね。」
(本田)
「そうね、僕らも随分仕事をやってね、直観力で、あっ、こうやったほうが早いとか、
いろいろあるんです。やると、その通りになっちゃうね。その時は正当に考えたんじゃないですものね、
直観力でやっているうちに、それ自体が本当に正当化してどんどん動いているね。」

「直観のひらめきが常識を覆した」

◆簡単に満たされると好奇心もしぼんでしまう

(井深)
「人間というのは、大人でも子どもでも、自分が見たい、知りたいと思ったことが、簡単に手に入ってしまうと、
それ以上、興味を持たなくなりがちです。なかなか手にはいらないからこそ、興味もますますつのってきて、
実際に手にはいったときでも、もっと一生懸命やろうとするのです。教育の原点はここにあるような気が
しますが、・・・」

(井深)
「なにをこしらえて売ってやろうというじゃなく、
なにを世の中が必要としているか、
それにのっかればいいことであり、一番強い商売だね。」

◆尊重すべきは仕事が道楽というやつ

「そういう意味において、おれは遊ぶときが一番効率がいいな(笑)。こりゃ、能率よく遊ぶよ。」

「だからぼくに言わせると、そういうときにも我慢してきた・・・・自分の意思に反することでも
我慢し通した経験があるから、いま経営のことでも、いろんな我慢をしなけりゃならん・・・・
だけどそのときのこと思えば、何でもないね。」

「だから『苦労は、買ってでもしろ』っていうようなことね、古い知れんけど。それを、もし、
のうのう座ってきてたんなら、経営だって、最初のうちに、投げるときがあったろう。
いいことばっかりはないんだからね。」

◆実行して、失敗して、体で受けとめる

「僕はそんな器用なことができんから、一年間何もせず尺八吹いたり、遊んだりしていた。
その間、色々考えてから、世間を方々見て歩いた。だから、一年間はとにかく手を出さないで
休んでいた。あれはよかったですね。とにかく分からん時、霧が一ぱいの時には、
もがいちゃいかんね。じっとしていれば、いつか晴れてきて進む方向ができてくる。」

★これは、本田さんが亡くなった後、親友であった、井深氏が本田氏の功績を称えるために書かれました。
行間から、井深氏と本田氏の、信頼関係というか、お互いへの尊敬の念が、にじみでています。

また、道徳観、仕事観、人生観、そして、教育論。もちろんビジネスのお話など、
思わずニンマリしながら、楽しい話が盛りだくさんです。

やっぱり、一度きりの人生、楽しいこと・やりたいことを全力でやりたいなぁと、
勇気づけられ、
また、失敗を恐れるなと、励まされる1冊です。

壁にぶつかったとき、迷いがあるとき、ぜひ、お薦めの1冊です。

本日は、この辺で。