『M&A時代 企業価値のホントの考え方―株式市場から評価される会社のお作法』保田 隆明・田中 慎一

書評

『M&A時代 企業価値のホントの考え方―株式市場から評価される会社のお作法』保田 隆明・田中 慎一(著)
出版社: ダイヤモンド社 (2007/3/16) ISBN-10: 4478000638

目次

 序章 「ファイナンシャルリテラシー」
  企業を取り巻く経済環境の構造変化を知ろう

 第1章 「企業価値」
  企業の値段は何のために計るの?株価や時価総額との関係は?

 第2章 「IR」
  株式市場との対話ってどういうこと?投資家は何を知りたいの?

 第3章 「M&Aと資金調達」
  投資家が評価するM&Aと資金調達とは?

 第4章 「MBO」
  非公開化で会社はどう変わるの? 利益相反って何?

 第5章 「敵対的買収」
  誰が誰に対して敵対的? 買収防衛作はどこまで有効?

 第6章 「三角合併」
  外資による乗っ取りが増えるって本当? 企業経営はどう変わるの?

 第7章 「コーポレートガバナンス」 
  経営者と株主、取締役の関係は? 誰が何をチェックするの?

◆いま、株式市場の周辺で何が起きているのか

 『 ライブドアや王子製紙による敵対的買収の試み、上場企業による買収防衛策の一斉導入、ワールド、
  すかいらーく、レックス・ホールディングスなど相次ぐMBO(Management BuyOut:経営陣による企業買収)
  に伴う非公開化など、最近の株式市場で起こっている出来事はすべて、これまでの日本では考えられなかった
  ようなものばかりです。
   実は、最近のこのようなM&Aなどのコーポレートファイナンスに係る活動は、企業を取り巻く環境変化の
  「大きな流れ」を反映しているものです。』

◆日本の企業社会の構造変化

 ①株式持合構造の解消
 ②M&Aに対する意識の変化
 ③「企業は株主のものである」という意識の浸透
 

◆金融システムの変化

 『 ところが、バブル経済が崩壊すると、不良債権処理に苦しむ銀行は、著しく弱体化し、事業会社の財務を
  丸抱えできるほどの体力を失ってしまいました。銀行は、事業会社への貸出しを減らすとともに保有株式を
  大量に売却することになります。さらに、金融商品会計が導入されると、この動きに拍車がかかり、事業会社も
  持株を大量に放出し、株式持合構造が完全に崩壊することになったのです。
   事業会社も銀行が頼りにならないということに気がついた途端、資金調達の途を資本市場へ求めるようになり
  ました。これが間接金融から直接金融へのシフトです。こうして、昔は銀行が面倒を見てくれていた財務戦略を
  事業会社の経営者が自ら考えなければならなくなったのです。
   このように、戦後50年続いた間接金融体制が崩壊し、経営者が直接資本市場と向き合わなければならなくなった
  のは、実は、ここ10年ほどの最近の出来事なのです。筆者は、多くの経営者が株主資本主義に抵抗を感じる
  最大の原因はここにあると思っています。』

◆米国資本主義にも新しい潮流

 『 グーグル社の狙いは、経営陣自ら議決権をできるだけ多く保持することによって、経営陣が思い描く長期的な
  経営計画に基づいて安定的な事業運営を行う環境を確保することにあるわけです。「安定運営を確保する」と
  いえば聞こえはよいのですが、グーグル社の場合、その心は「インターネットの世界を席巻する最先端技術に
  どうせ素人株主はついてこれないだろう。余計な口出しはするな。俺たちを信頼してくれ」というのが本音で
  あり、外野のうるさい声をシャットアウトする仕組みを作り出しているわけです。
   それに対して、株式市場も「我々素人が余計な口出しをするより、経営は彼らに任せておいた方がいい。
  自分たち株主は経済的利益にあずかれば十分満足」と考え、・・・』

◆現代のビジネスに不可欠なファイナンシャルリテラシー

◆企業価値と株主価値、時価総額の関係 p-54

◆所有権獲得プレミアム

 ◎図表3-1 株主割合と株主の権利(会社経営の影響度)p-95

◆ファンドはどのようにして儲けるのか

◆MBOの実際のスキームはどうなっているか? P-133

◆敵対的買収の成功は難しい

◆敵対的買収の標的となる企業の共通点

 ①キャッシュリッチであること
 ②PBRが低いこと
 ③浮動株比率が高いこと

★M&Aという言葉自体は、お茶の間の言葉となりました。
 でも、
 マネジメント・バイ・アウト、MBOや、
 レバレッジ・バイ・アウト、LBOだったり、
 三角合併など、
 聞きなれない、あるいは、新しい用語もあります。

 この辺が分かると、大企業のやっている戦略がよく分かります。
 今度、中小企業でも、M&Aは急速に広がりそうです。
 全ての経営者の方に、M&A入門本として、おすすめです。

本日は、この辺で。

編集後記

先日、ムスメのお迎えに行った折り、

ムスメの友達が、

「ぶ~ちゃん、お迎えだよ!」

と、いうのを聞き、

俺も、ぶーちゃんパパとして、認められているんだなぁと、

感慨深く思っていたら・・。

「なんで、ママのお迎えじゃないの?」

「ママは、お風邪?」

など、質問とブーイングの嵐。

よくよく聞いてみると、下の子(9ヶ月)が、お友達に大人気で、

みんなは、赤ちゃんに会えるのを楽しみにしていたところ、パパで

がっかりしたようです(*´Д`*)。