『渋滞学』西成 活裕

書評

『渋滞学』西成 活裕(著)
出版社: 新潮社 (2006/9/21) ASIN: 4106035707

目次

第1章 渋滞とは何か
第2章 車の渋滞はなぜ起きるのか
第3章 人の渋滞
第4章 アリの渋滞
第5章 世界は渋滞だらけ
第6章 渋滞学のこれから

◆水と人のちがい

『 ここでちょっとわき道にそれて、「定量的」という言葉について説明しておこう。これは
「定性的」という言葉とペアになっていて、我々科学者が好んで使う言葉の一つである。
たとえば理論と実験結果がきちんと細かい数字まで合っている場合に「定量的に一致している」
という。数字は違うが大体の変化の様子が同じ場合には、「定性的に一致している」という。
初めは何でも定性的理解から始まって、だんだんと精密化して最終的に定量的理解を
目指すというのが科学の進んできた流れである。定量的解析ができるということは精密科学に
必要不可欠なことなのだ。人同士の相互作用の力はまだ定性的理解を目指している段階で、
定量的解析はできていない。』

◆非ニュウートン粒子なるもの

『この三つの法則が成り立っているものはすべて「ニュートン粒子」ということができる。
それに比べて人や車は、それを粒子として見るとこれまで述べてきたとおり必ずしも3法則が
成り立つわけではないので、「非ニュートン粒子」である。この非ニュートン粒子は、
自分自身の意思を持っており、自発的に動くことができるため、その行動には「慣性の法則」は
あてはまらないし、力といっても社会心理学的なものであるため「作用=反作用の法則」も
成り立たない。そして力が見積もれないために、強力な「運動の法則」も無力なのだ。
生物などの個体も粒子として考えるとすべてこういった性質を持つので、これらの粒子を
今後は「自己駆動粒子」と呼ぶことにする。』

◆おもちゃモデルの重要性

『 科学者は現実の複雑な現象を解明してゆくために、いろいろなテクニックを使う。理論的に
研究している人々は、現実と似たような動きをする簡単なおもちゃを考案し、そのおもちゃの
振る舞いを真面目に調べることで現実を理解し、そして予測しようとする。おもちゃと書いたが、
英語で書かれる研究論文でも本当にtoy modelと書いてある。ただしふつうは実際に何かを作る
わけではなく、あくまでも頭の中で単純なモデルを考えて、せいぜいコンピュータの中で
仮想的に動かすだけだ。これを現実の「モデル化」という。』

★だいぶ前に、日経新聞の書評欄で見かけて、興味を持ちました。
実は、買った後に、フォトリーでぱらぱらメクッテ気づいたのですが、
ページがちょっと破けていました。

本来、買ったお店で交換してもらうのが、早いのでしょうが、
レシートは、ほぼ右から左に捨ててしまう私のことで、
残念ながらありません。

本の後ろに、新潮社の読者係に送れば、「お取替え」とあったので、電話してみました。
とりあえず現物を確認したいので、着払いで送って欲しい、とのことで、
宅急便で送りました。

1週間ぐらいだったか、交換品が送られてきて、オマケで、非売品の新潮社メモ帳2冊が
ついてきました。これは、新潮社ファンと目ぼしき人に、あげました。

本日は、この辺で。